本エピソードについて
このエピソードは 大修館書店の月刊誌『英語教育』との連動企画として制作されています。詳細は2023年6月14日発売の『英語教育』7月号をご覧ください。
本日の出演者
ゲスト:寺沢拓敬さん(関西学院大学)
MC: anfieldroad
「英語教育実施状況調査」の実態
寺沢先生のこれまでの関連記事
マスメディアには浸透している「調査」
「調査」の精度の話
理論的には「あてにならない」で終わりだが・・・
全国学力テスト(2019)との関係
全学テも都道府県のばらつきはあるが、トップと最下位のひらきはせいぜい10%程度。
実施状況調査のように都道府県単位で30%もひらきがあるのは異様。
英語科主任として回答していたときの話
「英検とかTOEICとかで基準クリアしましたか?」と口頭で同僚に訊くだけ
合格証の提示もないからいくらでも言える
担当が変われば、基準も結果も変わる恐れ
全国トップレベルの福井県の話
福井県は全員公費でGTECを受けていて、それだとクラスのほとんどがCEFRのA1レベルになる(その多くは英検3級受からないかも?)
いろいろな可能性
福井以外の県でもGTEC受けたら同じような結果になる?
「未来志向」で結果が解釈され(てい)る?
県別ランキングの弊害
全国学調に続いて英語教育実施状況調査もランク化傾向
本来は抽出調査で全国平均だけ分かれば十分
なぜ全数調査?
「全員でやるんだ」というメッセージ?
間接的に都道府県競争を煽るため?
「調査」として成立していない=「指標」
政策の理論的な話:統制
教育振興基本計画が昨日発表される
英検2級相当、高校で3割に 新たな教育計画を決定 政府(時事通信)
あ、「準2級6割、2級3割」ということですね(訂正)
「正答率が50%を切った問題」に対策を求める教育委員会
でも本来テストにはいろんな難易度の問題があって然るべき
数字の信頼を毀損する恐れ
それでも短期的には文科省にメリットがある?
50%→60%に2割上げろと言うが上乗せの予算措置はない
現状ではハイステイクス(給与や予算と連動)な運用もされていないが…
統計処理されている埼玉県学力・学習状況調査
自治体や学校の比較はないが、教師の力量は可視化されてしまう恐れ
「伸び率」のマジック
どうすれば「よりマシな調査」になるのか
シンプルだけど非現実的な改善案
改善案①:マスコミにランキング報道をやめさせる
改善案②:忖度が働かないガッチガチの基準を作る
「よりマシ」な改善案
改善案③:全数調査をやめて抽出調査にする
波及効果=風が吹けば桶屋が儲かるエフェクト
マスコミや一般の人々に伝えていく必要性
マスコミには浸透してしまっている
研究者や学校教員がこれを再生産しないこと
シンポジウム等でこの問題を取り上げたい方は、ご連絡ください
「現代のぁゃιぃ英語教育ランキングを考える」