こんにちは、anfieldroadです。
新年度のスタートを迎える前に、という思いで配信し始めたNewsletterですが、すべての観点を説明し切れないまま、次の水曜日には年度最終日を迎えてしまいます。3観点の解説が4月中旬くらいまで続くかと思います。遅くても、少しでもお役に立てば幸いです。
実は3観点ではなく4観点だった!?
これまでに配信した[023]と[024]では、〔知識・技能〕という新しい観点について、〔知識〕と〔技能〕という2つに分けた上で、それぞれ何をどう評価すればいいのか、ということについて考えました。そして、考えてみると、〔知識〕と〔技能〕の2つは別の観点と言ってもいいような気もしてきます。
そうなると、私はこれまで「3観点」ということで、その関係性を下のようなイラストで説明していたのですが、
〔知識〕と〔技能〕を別の観点と見なすとすると、下の図のような変則的な4観点なのだということもできるのかも知れません。
〔知識〕は「構造を理解していれば(運用できなくても)いい」ということで、それを使って意味の理解や伝達を試みる〔技能〕と比べると、より基礎的というか原始的な力と言うことができそうです。じゃあ、〔知識〕の上に〔技能〕が乗っかっているイメージでもよかったのだと思います。
でも、新学習指導要領(および『解説』や『参考資料』)を読む限り、〔知識〕を独立したものと考えず、あくまでコミュニケーション(スキル)を支えるものとして捉え、コミュニケーション場面で実際に使用しながら身につけていくという習得観を示しています。だから、こうのような4観点に分類する考え方は、本来の筋ではないのだと思います。
ですので、〔知識〕をただ教師が説明して、生徒に暗記させて終わり、ではなく、教師は生徒がその〔知識〕を使うような場面や機会をどれだけ授業の中に意図的・計画的に作れるか、が大事だと思います。
しかし、前号の最後でも少し書きましたが、〔知識〕と〔技能〕は1つの観点でありながら2つの異なる側面を評価している一方で、その〔技能〕と〔思考・判断・表現〕は異なる観点でありながら限りなく似たような現象を観察し評価している、という非常に複雑な構造になっているのが、悩ましいですね。
年度のスタートでは、シラバスなどの資料を示しながらなんらかの形で生徒とも評価の枠組を共有することになると思うのですが、わかりやすく説明するのも難しいですね。いっそこの組体操のイラスト、配っちゃいますか?(ご自由にご利用ください)
では次号では、私が考える今改訂の最大のポイント、「思考・判断・表現」を掘り下げます。新年度の評価計画づくりに少しでもお役に立てれば嬉しいです。
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