【アイデアの源泉】連載第5回です。私が実際に授業で取り組んだ様々な活動アイデアを思いつくきっかけになった出来事をご紹介しながら、その原理・原則をあぶり出します。また、その発想から生まれた具体的な活動のアイデアも紹介しています。
英語授業アイデアの源泉
#05 分割して精選する
当初のタイトル案は「一番苦手な子に合わせる」でした。教室の中で一番英語に苦労している生徒でも、みんなと同じように参加できて、力がつく活動を考えたいと思っていました。じゃ、「一番苦手な子に合わせる」ために何をするのか(したのか)というのがこの連載でのポイントなので、もう少し具体的に方略を言語化すると、今回のタイトルである「分割して精選する」にたどり着きました。
コミュニケーションや学習活動というのは、いくつもの行為がつながって1つの行動(活動)になっているとても複雑なものです。慣れない外国語で、緊張する場面で、とあちこちにリソースを取られてしまうと、苦手な子にとってはハードルが高すぎます。そこで、コミュニケーション行為や学習活動のプロセスを行為レベルまで細分化した上で、今回この活動で生徒に挑戦させたい行為(行動)に絞って活動させる、ということです。
例えばバレーボールの練習で、2人組でトス→アタック→レシーブ→トスと交互に打ったり拾ったりしながら継続していく「マンツーマン」という練習メニューがあります。バレーボール部の顧問をしていた頃、入部したての1年生だとこれがいきなりはできないので、最初は手で投げたボールを打つだけ、次は手に持ったボールを打って相手がレシーブするだけ、と練習を分割して練習させていました。こんなイメージです。