【アイデアの源泉】連載第4回です。私が実際に授業で取り組んだ様々な活動アイデアを思いつくきっかけになった出来事をご紹介しながら、その原理・原則をあぶり出します。また、その発想から生まれた具体的な活動のアイデアも紹介しています。
英語授業アイデアの源泉
#04 問題点にとことん向き合う
広い意味で言えばこれも前節の「逆転の発想」の1つとも言えそうですが、そちらがいわば思考実験的に常識を疑ってみる中で偶発的に新しい活動が思いついちゃった、みたいだったのに対し、こちらは現実に教室の中で起きている授業の課題にとことん向き合ってみたら、課題を解決できるだけでなく一段階上の活動になっちゃった、というパターンです。
どんな活動にもメリットとデメリットがあって、それ自体は仕方がないことで、教師がそのメリットを考えながら授業に組み込んで行けばいいんですけど、やっぱりデメリット(というか、その活動が本来狙ってない部分)が気になっちゃって、でもその活動の枠組みはなんとか活かしたい、みたいなことが私はよくあるので、時々こんな悩みにぶち当たります。
「VSビンゴ」で全員が発話するビンゴに
例えば前回取り上げた「ビンゴ」はスキルで言えばリスニング一点突破のシンプルな活動です。だから当然「ビンゴ」には自分から「読む」「話す」といったアウトプット的な要素は皆無なんですが、でもやっぱり生徒自身に単語を発話させたいな、と考えてしまうわけです。それなら別にビンゴのフォーマットを使わなければいいんですけど、でもなんか工夫すればこの枠組みを使えるんじゃないか、と考えたのです。
でも、生徒に発話させるビンゴって、どんなものだ? 例えば、全体の前で誰か代表の生徒ひとりがが読み上げて、それを聞いて他のみんなが単語を探す、という形は可能でしょう。実際によくあるアレンジの1つかも知れません。でもそれでもまだ活動量は十分じゃない。なんとか全員に発話させられないか?