こんにちは、anfieldroadです。
現場で頑張る先生方をサポートする方法を考えています。授業方法の相談に乗ったり、指導案にアドバイスしたり、授業を(ビデオ等で)参観して一緒に考えたりするような私なりの「伴走」方法を模索しています。このNewsletterの有料版開設も検討していますが、購入してくださった方にそういう「返礼」をするという仕組みもアリでしょうか?
〔主体的に学習に取り組む態度〕の評価規準の書き方
さて、〔主体的に学習に取り組む態度〕には、「粘り強い取り組み」と「自己調整」という2つの側面があります。前号の図解でも書いたように、基本的には「粘り強い取り組み」を観察で見取る、というのがこの観点の評価の土台になります。
しかも、〔思考・判断・表現〕と一体的に評価する、ということで、評価事例などを見ても、文末がちょっと違うだけの評価規準が並んでいます。〔主体的に学習に取り組む態度〕に関しては「〜しようとしいている」という文言が一般的です。
こういう枠組みで評価をしようとすると、やろうとしていれば〔主体的〜〕はaがつくけど、やれていないと〔思考〜〕はbやcになる、という可能性が高く、自動的に2つが同じ評価か、〔思考〜〕のほうが1段階低い評価が増えそうですよね。
「ひとりごと」のところにも書いたのですが、「一体的に評価」する上での一番の懸念は、実質的にこの2つが1つの観点のように機能してしまい、しかも重み付けが2倍になる可能性があるということです。3観点を統合して評定を出す際に、そのバランスを確認したほうがよいようにも思います。
「自己調整」は補助的に活用する
もう一つのポイントは「自己調整」です。こちらは主に自己評価などの文章記述を評価対象に考えています。態度には表れにくい性格の生徒もいるので、そこを文字で拾ってあげよう、という主旨です。
ただし、国研の『参考資料』では、これはあくまで観察の結果がbとcが同数で、この観点の学期末の評価がbもcもありえるというボーダーにいる生徒のための措置と書かれています。しかもaかbかのボーダーではなく、あくまで(態度として十分に表出していないと思われる)bかcのボーダーで使用すべきとなっています。
そんな細かいレギュレーションに従って全国の先生方が評価をつけるようには(あまりにも煩雑なので)思えないのですが、実際はどうなんでしょうね。ただ、「自己調整」という観点はあくまで補助的な位置づけであるべきだと書かれています。
そういった力関係は、『参考資料』の総説に載っているこちらの図からも伺えます。
この図だと、①の「粘り強い取り組み」があまり顕著でない生徒でも、②「自己調整」が少しでも見られればb(B)がつく、という形状になっています。①が顕著な場合は、②も問題なく出来ている場合が多いと思われるので、逆の場合は少しハードルが高く設定されています。(そしてa(A)を取るためには、結局どっちも高いレベルを求められていますね)
観点は4つから3つに減りましたが、教師がエビデンスとして残しておかなければならないものが増えてきたようにも思います。生徒の記録はスキャンしてデータで残しておくと、なにかと便利かも知れません。私も愛用していましたが、紙資料を自動でどんどんデータ化してくれるドキュメント・スキャナなどが今後も大活躍しそうですね。
最近はなかなか学校を訪問するのも難しく、授業を見る機会も減っています。ビデオなどでもいいので、授業が参観したいです。研修会などに呼んでいただける機会がありましたら、ぜひお声かけください。