新たな年を迎えました。少しでも落ち着いて、平和な一年になることを願っています。本年もどうぞよろしくお願いします。
この人は正月から英語教育のことばかり考えてこんなの書いてるのかと言われそうですが、このNewsletterは年末までに何本か書き溜めてますので、たぶん少しはゆっくりとしたお正月を過ごせているかと思います。(勤務校の駅伝とラグビーの試合が気になります…)
学習指導要領改訂のポイント
さて、今回は新しい学習指導要領の改訂のポイントを確認しておきます。文科省としては、「改訂の基本的な考え方」として以下の3点を挙げています。
「幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント」(文部科学省)
このうち、教科指導に一番影響がありそうなのは、なんといっても2点目で、「現行学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で」とは言ってますけど、学力の枠組みを大きく変更した改訂になっていると思います。
「学習評価に関する資料」(文部科学省)
今回の改訂で一番すごいな、と思ったのはこの3観点の枠組みを、全教科にかなり(強制的に)徹底していることです。「思考・判断」みたいな考え方は、現行の学習指導要領にもあったわけですけど、英語科(毎回「外国語科」と書くのは面倒なので以下「英語科」で書きますね)はこれまで無視して独自の4観点を作ってましたよね。今回は全教科この3観点推しになりそうなので、教科の特性とかが発揮しにくくなるのではという懸念はあります。
英語科の改訂ポイント
では英語科ではどんな変化があったのか。一番わかりやすいのは、文科省が出しているこちらの図でしょうか。
学習指導要領の改訂等について(文部科学省)
この図を見る限りだと中学校はあまり高さが変わってないイメージですね。小学校からスタートする分、中学校のスタート位置がこれまでより大きく上に嵩上げされていることを強調しています。
気になるのは、さりげなく書かれてますけど中学校で扱う語彙数が1,200語程度から1,600〜1,800語程度と最大1.5倍に増えている点です。でも授業数は変わらずに週4時間なんですよ。前回の改訂で現行の指導要領になるときに語彙数が900語から1,200語に上がることを理由に週3から週4に変更した経緯があるので、今回そういうフォローが何もないのは不思議です。(週1コマ増やすのに、財務省を説得するのに「何かが3分の4倍」になっている必要があった、と聞きました)
その他、現在完了進行形や簡単な仮定法などの文法事項が高校から降りてくることを考えると、教科書はこれまでより厚くなりそうですよね。今までみたいに、すべてのレッスンを同じようにノート作りさせて、単語テストやって、音読して、ってやってたら終わらないですよね。これまで以上に教科書の使い方にメリハリが必要になると思います。
そんな教科書の扱い方や文法の考え方などについては、追々具体的は話を書かせていただこうと思います。
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