こんにちは、anfieldroadです。
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新しい評価のイイトコロ
前号より評価の話をしています。国研が2020年3月に出した『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料』をベースに、新しい学習指導要領に基づいた評価の枠組みを検討しています。
いつも文句ばかり書いてますので、たまには前向きなことも書いておきましょう。評価に関して、今回の改訂で私がいいなと感じたことは以下の3点です。
1つめの、評価のスパンが長めに捉えられるようになったことはいいですね。言語は、教えたことがすぐに身につく(使えるようになる)わけではないので、あまり短いスパンで瞬発力ばかりが試される評価は嫌だなとずっと思っていました。評価計画を立てるのはちょっと大変になりますが、そうやって先を見通して授業やテストを考えることはとてもよいことだと思います。
2つめは、評価のタイミング。よく学習指導案を見ると、1つの授業で(現行だと)4観点全部を評価することになっているような評価計画を載せている人もいますが、そんなことは無理なわけで、文部科学省が明示的に評価機会を絞って設定することを公言してくれたことはよいことだと思います。
そして3つめとして、文法指導に場面や機能を考える機会が増えるのは喜ばしいことだと思います。ドリル練習も大事ですが、「話すこと」や「読むこと」など、技能と連携しながら知識・技能の獲得を目指すような活動が、授業に増えていくといいなと思います。
3観点は万能ではない!?
一方で、気になることもあります。こちらもとりあえず3点挙げておきます。
一番気になるのは①です。次号より、各観点を細かく見ていきますが、全体的には3つの観点にあまり違いが見えてきません。先日発売された大修館『英語教育』2021年4月号でも、文部科学省の山田調査官が「3つの資質・能力はそれぞれが独立したものではなく不可分に結び付いており」と書いているので、思わず「それは評価の観点としてはダメだろう!」と突っ込んでしまいました。AAAとかBBBとかCCCみたいな評価ばっかりになっちゃいそうです。
②については、大修館『英語教育』2020年7月号で、漫画にしてました。英語の成績はそもそも、5段階評価みたいなものと相性がよくないように思います。別にCEFRじゃなくていいので、「今この人の英語力はこの段階」と示せる物差しがあればいいんですけどね。
③については、次号(かその次の号)で詳しく書きたいと思います。
次回からは3つの観点を1つずつ検討します。最初は〔知識・技能〕です。短時間で読めるように(理解できるように)図解等も多く取り入れたNewsletterにしたいと思っていますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。
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