こんにちは、anfieldroadです。
大修館書店の月刊誌『英語教育』で「これって本当に必要?指導の当たり前を疑う」という連載を担当しています。おかげさまで2021年度も連載継続になりました。記念すべき新年度の第一弾(4月号)のテーマは思い切って「学習指導要領って必要?」にしてみました。このNewsletterで書いたことと一部重複する部分もありますが、ぜひお手にとってお読みいただけたら幸いです。
ベースになるのは国研が出した『学習評価に関する参考資料』
さて、今号からは新学習指導要領に基づいた評価の在り方を考えてみたいと思います。参考にするのは、国立教育政策研究所が一年前に出した『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料』です。少し前に私がこの資料を読み込んで勝手に図解した資料があるので、そちらを紹介しながら、検討していきたいと思います。
この資料は、第1編から第3編までの三部構成で、第1編は全科目共通の内容になっているので、英語科に特化した内容は第2編・第3編になります。
この資料は小学校版もあるのですが、図解の中でも突っ込んでますけど、この資料が発表されたのは小学校で新学習指導要領がスタートする5日前! 小学校の先生方は、新年度の準備が大変だったのではないかとお察しします。(しかも1年前の春はすでにコロナ禍にあり、突然の一斉休校の荒波の中にありましたので…)
多くの自治体の教育委員会も評価資料を発表していますが、この国研の資料を参考に作るつもりだったのだと思うので、今年度かなり急ピッチに作業をされたのだと思います。新しい評価を考える上では、この国研の資料だけでは具体例が足りないので、そのような各県の資料も参考にしながら検討したいと思っていますので、よい資料の情報がありましたらぜひひお知らせください。(さっそく情報をお寄せくださった先生、ありがとうございます!)
3つの観点の相互的な関係性は?
とても雑なまとめにはなりますが、今回の新しい三観点のポイントを1枚にまとめると、こんな感じになるのかな、と思います。
ご注意いただきたいのは、この図解は限りなく私anfieldroadの主観的な整理に基づくもので、文部科学省がこう言ってるとは限らない、ということです。私はいろいろ読む中で、「思考・判断・表現」が一番「えらい」んだな、と勝手に解釈したので、このような図解になっています。
最終的に何らかの目的のために「何かができる」ためには、「何かをするのに十分なスキルや知識」と「何かをやろうとする気持ち」が土台になると思います。今回の学習指導要領を読んでいて、一番こだわりを感じるのは「目的」です。ですので、目的を持ってスキルを使うことを求めている思考・判断・表現がすべてのゴールになるイメージなんだろうな、と感じました。
もちろん「えらい」「主役」という言葉も解釈がいろいろで、人によっては「土台になるものこそえらい」と考えるでしょう。私がここで言う「えらい」については、上述のように、ゴールとしての意味合いなのだとご理解いただけると助かります。
新しい観点になり、通知表も要録も変わり、「4月から大変そうだ」と感じている先生も多いかと思います。でもご安心ください。うまく整理をすることで、これまで蓄積してきた知識や経験がそのまま活かせる部分もたくさんあります。もちろん、新観点に備えて今までいあってなかった指導や評価に取り組むことになる先生もいらっしゃるかも知れません。次号からも引き続き「評価」をテーマに図解を紹介しながら書いていきたいと思いますので、その中で具体的な活動やテストなどをご提案できればと思います。
本Newsletterでご紹介している図解画像はanfieldroad自身が作ったものですので、気に入っていただけた場合は、校内研修等でご自由にお使いいただいて構いません。SNS等でのシェアもご自由にどうぞ。