こんにちは、anfieldroadです。
卒業後に教職に就く4年生の学生から「赴任先が決まりました!」という不安と期待に満ちた連絡が届いています。新しい場所で、素晴らしい先輩たちから、多くのことを学んで教師として成長していって欲しいです。(先輩方、温かいご指導を何卒よろしくお願いいたします)
新学習指導要領のキーワードを整理する
[011]から[019]までのNewsletterでは、新しい中学校学習指導要領の「目標」部分について、複数の項目に登場するキーワードを抜き出して、『解説』の表記も比較しながら、そのキーワードの持つ意味合いをあぶり出してく作業をしました。下のマトリクスの色がついている部分です。
それぞれのキーワードについては、下記の号で詳しく取り上げていますので、気になった時に読み返していただけるとよいかと思います。「目標」の文言は大きく分けて、①どんな話題について、②どんなふうにして、③何をすることができるか、という3つのセクションに別れているかと思うので、そのセクションごとに整理してみます。
①どんな話題について
②どんなふうにして
③何をすることができる
複数の要素が混在する目標を分解する
学習指導要領の目標だとそれぞれの技能についてア、イ、ウという3つのレベルの目標が提示されているのですが、実際には上の①②③の3つのセクションごとにどれを選ぶかで、それぞれ難易度が多様に調節できるはずです。
例えば、聞くこと・読むことの受信系では、以下のように①と③についてレベルを選択することができます。
どうも「要点」というからにはある程度複雑な説明文を素材とすることを想定しているようではあるのですが、例えば「留学先の学校のカフェテリアの営業時間変更の案内メール」みたいな「社会的」というほどの高度な話題でなくても、要点を読み取るような活動は設定できると思います。
だから、「社会的な話題について、話の概要を捉える」や「日常的な話題のついて、必要な情報を読み取る」といった目標には登場しない組み合わせがあってもよい、と思います。
また、話すこと・書くことの発信系になると、以下のように①②③の3つについてさらにいろいろ選択ができるはずです。
例えば、「日常的な話題について、聞いたり読んだりしたことについて、しっかり準備をしてから書く」みたいな活動だって、あっていいはずです。少なくともいきなり「即興で書く」活動ばかりやるのではなく、その前段階にそういう練習があってもいいと思います。
また、「目標」には登場しないですが、「とりあえず単発で話す」とか「まちがいを気にせずに書く」みたいなフェーズも実際の指導には存在するはずです。
前にも書きましたが、今回の目標にあるア、イ、ウは右に行くほど複数の要素が同時に求められていて、階段が急に高くなる印象があります。実際の授業では生徒の実態を見ながら、教師がタスクの難易度を左右する要素をうまく調節して活動を設定する必要があると思います。
私が大学を卒業する時は、採用試験にも落ち、臨任の話も決まらず、無職のまま不安でいっぱいの4月1日を迎えたことを思い出します。その後、4月中旬に臨任のお話をいただくことになるのですが、そんな私の英語教師としてのスタートは、拙著に載せております。機会がありましたらお手にとって読んでいただけたら嬉しいです。