こんにちは、anfieldroadです。
前号のコメント欄で学習指導要領の「音読」に関する記載についてご指摘をいただきました。のちほど、改めて音読について書く際にふれたいと思います。Newsletterの内容についてさらに補足的な情報が寄せられていることもあるので、よかったらコメント欄もご覧いただければと思います。
パブリック・コメントから考える③
新しい学習指導要領に関しての疑問点を整理するために、2017年に私が提出したパブリック・コメントをご紹介しております。前回の「目標」に続く3つめは、「書くこと」についてです。
前号の音読についてのパブリック・コメントと重なるところがありますが、共通して私が問いたいのは文部科学省の「文法観」なんです。あるいは「正確さ」の基準とでも言えるでしょうか。
文部科学省は、いわゆる「学校英語」が正確さに偏っていて、そのことが表現するスキルや積極的に話そうとする姿勢にブレーキをかけている、と言いたいのだと思うのですが、果たしてそうでしょうか?
私も、日本の英語教育にはある意味「正確さ」に偏っている現状があると思っています。でもその「正確さ」の規準(どんな項目の正確さを重視するか)や基準(どのくらいの正確さを求めるか)が文科省から示されていないために、教師や学校によってバラバラになっていることのほうが問題だと思います。
文科省は学習指導要領の改訂のたびに「正確さ」の扱いを小さくして、それ以外の方向に目を向けさせようと(今回でいえば)「思考・判断・表現」や「主体性」などをやたら強調しているように見えます。でもそれでは問題は解決しないのだと思います。
「正確さ」は平等ではない
文法の正確性は平等ではありません。「三単現のsを抜かしてしまうこと」と「主語と動詞の順番を間違えてしまう」では、伝達される意味の量に大きな違いがあります。ところが、学習指導要領では、教えるべき「内容」について、ただ文法事項を羅列することしかしていません。
中学校学習指導要領 外国語 2 内容 (3)言語材料 エ文法事項(文部科学省)
コミュニケーション上重要なものや習得に時間がかかるものなどについて、重み付けをした上で、「何を」「どのくらい」教える(身に付けさせる)べきなのかを、きちんと示すべきですし、そのための議論を日本中の英語教員を巻き込んでおこなうべきだと思います。
このNewsletterが、そんなみなさんの意見をあぶり出すような役目を果たせればと考えておりますので、コメント欄を含めて、ぜひみなさんの意見もシェアしてみてください。
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